「話食動眠」を
追求する
生涯健康脳住宅とは?

4つの要素を追求する
3つの機能を持つ住まい。

生涯健康脳住宅研究所が定義する生涯健康脳住宅とは、東北大学加齢医学研究所の生活実態研究から導き出された、脳を発達させ機能を維持していくために重要な4つの要素<話食動眠>(下記参照)と3つの機能を備えた住まいのことを指します。そんな住宅では、世代を問わず健やかで快適な住環境を保つことができます。

生涯健康脳住宅の定義

脳の活動の活性化に良いとされる
4つのエビデンス

話(会話・趣味)

  • 好奇心が高いほど高次脳領域が脳体積を保持する
  • 余暇や趣味が認知症のリスクを下げる

食(食事・料理)

  • 魚、野菜、穀類、繊維食品が認知症のリスクを下げる
  • 調理行動は脳の活性化に良いと考えられる

動(運動)

  • 運動により海馬が増加
  • 定期的な軽度な運動が認知症のリスクを下げる

眠(睡眠)

  • 短時間睡眠は脳を萎縮させる
  • 睡眠により認知症物質が洗い流される

4つの要素を追求する
3つの機能を持つ住宅

生涯健康脳住宅づくりのポイント

「話」「食」「動」「眠」のそれぞれの要素ごとに、現在の社会状況を踏まえた問題点と、それを解決する住まいづくりのポイントを紹介します。子育て期の世代と、子育てを終えた高齢期の世代とでは社会的な課題も大きく異なるため、それぞれの世代に合わせた内容となっています。

子育て世代

子どもの好奇心を育み、
親子の会話が増える住まいを。

最近は昔に比べ、親と子どもとの会話が少なくなっていると指摘されています。また、核家族化が進み、ご近所付き合いも希薄になった現代では、子どもが多彩な年代の人と接する機会も減っています。これは、子どもが会話力やコミュニケーション能力を養っていくうえで、憂慮すべき事柄です。一方、遊びの面でもゲームやネットに没頭し、自然の中でさまざまな体験を通して好奇心を育むことが少なくなっています。

そんな課題を解決する
住まいのポイントとは・・・・・・

  • 親の目が届く場所に遊び&勉強スペースを設け、親子の会話を増やす
  • 人が集まりやすい空間をつくり、子どもが幅広い年代と交流できるよう工夫
  • 家庭菜園やお手伝いしやすいキッチンなど、体験を通して好奇心を育む環境づくり

高齢世代

趣味を大切にした暮らしが、
社会とつながるきっかけに。

高齢になると社会との接点が減り、特に単身世帯になると会話をする機会も一気に減ります。周囲との交流が少なくなるになるにつれて、認知症リスクが高まるという調査結果も発表されています。また、社会とのつながりを考えるうえで、「趣味」を持つことはとても重要です。しかし夫婦ふたり暮らしの場合、個々の趣味の時間を大切にしたいと考える人が多く、夫婦間に適度な距離感を求める傾向が見受けられます。

そんな課題を解決する
住まいのポイントとは・・・・・・

  • 家族や知人を気軽に招くことができる住まい
  • 趣味を楽しむための空間づくり
  • 夫婦が適度な距離感で暮らせる工夫

子育て世代

調理や収穫体験を通して、
子どもの好き嫌いを克服。

子どもが好き嫌いなく、魚や野菜、食物繊維が豊富な穀物などをバランス良く摂取することは、脳の発達にとても良い影響を及ぼします。しかし最近は、子どもの偏食が顕著になってきており、その結果、肥満が指摘される割合も増加しています。その理由には、家族そろって食卓を囲む機会の減少、生活リズムの乱れから朝食を抜くなどのほか、料理を作ったり収穫体験をする機会が減っていることも一因と考えられます。

そんな課題を解決する
住まいのポイントとは・・・・・・

  • 家族で食卓を囲むのが楽しみになる空間の工夫
  • 子どもと一緒に調理ができるキッチンづくり
  • 野菜作りを体験できる庭やベランダ

高齢世代

便利&手入れも楽なキッチンで、
毎日楽しく調理を。

特にひとり暮らしの高齢者は、栄養バランスに気を配ることも少なくなり、食事回数も減りがちに。このようなことから低栄養に陥り、健康を崩して介護が必要になってしまうケースもあります。また、料理の献立を考え、買い物に行き、下ごしらえや調理、味付け、盛り付けをするという一連の作業は、脳を活性化させます。しかし高齢になるにつれ、料理することが億劫になる傾向も見られます。

そんな課題を解決する
住まいのポイントとは・・・・・・

  • 掃除が簡単&収納も楽なキッチンづくり
  • 料理初心者の男性にも使いやすいキッチンの工夫
  • 人を招いて手料理を振る舞いたくなる明るい食卓づくり

子育て世代

親子が一緒に運動することで、
子どもの体力が向上。

最近の傾向として子どもたちはソト遊びの機会が減り、体力や運動能力の低下が顕著になってきています。これは、ゲームなどウチ遊びに夢中な子どもが多いことだけでなく、治安上の問題や遊べる場所がないなど環境的な原因もあります。また、運動のできる子どもとできない子どもが二極化しているとも言われています。運動ができる子どもは、家族と一緒に運動をする機会が多いといった報告もあります。

そんな課題を解決する
住まいのポイントとは・・・・・・

  • 庭などを活用して、子どものソト遊び場づくりを
  • 室内で親子一緒に体を動かせる動線や空間を工夫
  • 幼少期から体を動かすことに慣れさせる空間づくり

高齢世代

手軽に安全に続けられる運動を
工夫すること大切に。

最近は高齢世代にも健康志向が高まり、普段から運動を気にかけている人も少なくありません。しかし総体的に見ると、まだまだ運動不足が指摘されています。厚生労働省は、65歳以上の運動目安のひとつとして女性が1日6000歩、男性が7000歩を推奨(2022年目標)。これに対して2017年の実態は女性が1日4726歩、男性が5597歩となっています※。運動不足は認知症リスクを高めるとも言われています。
※出典:目標値は厚生労働省「健康日本21(第2次)」より、実態は厚生労働省「平成 29 年 国民健康・栄養調査結果の概要」より。

そんな課題を解決する
住まいのポイントとは・・・・・・

  • 安全&手軽に運動に取り組める空間づくりを
  • 通年、屋内で運動できるよう、真冬の寒さや真夏の暑さ対策を
  • 運動・活動量を見える化して励みに

子育て世代

充分な睡眠時間をとることで、
成績にも良い影響が。

世界と比べ、日本の子どもは睡眠時間が短いことが指摘されています。特に小学生では、親の生活リズムの影響を受けて、就寝が22時以降になる子どもも多く見られます。眠りにつく時間が遅くなるほど、やる気がでない、イライラする、頭痛などの不調が増加し、それが成績にも影響を及ぼします。また、平日と休日で就寝時間が大きく異なるのも、体調不良を引き起こす要因になると言われています。

そんな課題を解決する
住まいのポイントとは・・・・・・

  • 生活リズムの違う家族の影響を与えない工夫
  • 子ども部屋やベッドなど環境を整える
  • 眠りを妨げない照明を工夫する

高齢世代

夜間にしっかりと良質な睡眠を
取れるよう環境を整備。

日本人は子どもだけでなく、大人も睡眠時間が短いことが問題に。睡眠時間が一定時間を下回ると、認知症や死亡のリスクも高まるとされます。また高齢者の場合、日中に家でダラダラと寝て過ごすことが原因で、夜間の睡眠障害につながるケースもあります。不規則な睡眠は鬱などを発症させる要因になり、また、日中に太陽光を浴びないことで認知症リスクが高まる懸念もあります。

そんな課題を解決する
住まいのポイントとは・・・・・・

  • 日中の居室に太陽光が入るよう調整する
  • 夜、眠りにつきやすいよう寝室の温熱環境を整える
  • 長すぎる昼寝を回避できるような工夫を