「共働き子育て世帯」の生活・意識に関する実態調査

―ママだってゆっくり過ごしたい! 負担が大きい状況が改めて明らかに―

2018年09月20日
株式会社住環境研究所

積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:関口俊一)の調査研究機関である株式会社住環境研究所(所長:小池裕人、千代田区神田須田町1-1)は、このほど「共働き子育て世帯」の生活・意識に関する実態調査を実施し、結果をまとめましたのでお知らせします。
「共働き子育て世帯」は現在、住まいづくりの主役となっており、その困りごとを解決できる住環境の実現は住宅需要の活性化はもちろん、彼らの暮らしをより充実した、豊かなものにすることで社会全体へ良い影響を与えられるものと考えられます。今回は“家事”、“子どもの留守番時の心配”、“くつろぎと豊かさ”について、生活実態とどのような捉え方をしているかを調べました。

調査結果のポイント

<家事について>

1.ママの家事負担は大きい

家事負担の状況について聞いたところ、平日はママは最多が「2~3時間」(45%)で、パパは最多が「10分~1時間」(56%)という結果でした。休日については、最多の「2~3時間」はママ(39%)とパパ(38%)はほぼ同じですが、2番目に多いのはママが「4~6時間」(30%)、パパは「10分~1時間」(38%)で、ママの家事負担が依然大きいことが分かりました。

2.洗濯物を“干す場所”にママのこだわりは強い

「住まいにどんなスペースがあるといいか」聞いたところ、「屋根のあるバルコニー」(56.7%)「室内干し専用スペース」(48.4%)と高いニーズを確認しました。

<子どもの留守番時の心配について>

3.三大不安は「大地震や停電」、「知らない人との接触」、「戸締り」

小学生の子ども、中学生の子どもがいる世帯とも、「大地震や停電」(前者46.9%、後者57.0%)、「知らない人との接触」(前者47.9%、後者46.1%)、「戸締り」(前者44.6%、後者43.0%)が最も高い数値となっていました。

<くつろぎ&豊かさについて>

4.ママは休日に自宅でゆっくり過ごしたい

理想の休日について聞いたところ、ママは「自宅で一人でゆっくりしたい」(42.8%)、「一切家事をせずくつろいで過ごしたい」(31.2%)、「外出して一人で過ごしたい」(20.2%)の順となっていました。

5.ママが住まいに求める場所は「ミセススペース」「ぐっすり眠れる寝室」

「住まいにどんなスペースがあるといいか」聞いたところ、現在、持家(注文住宅)に住んでいるママでは一人でゆっくりと過ごすことができる「ミセススペース」(46%)が最多で、これは分譲住宅の持家でも同様でした。一方、賃貸住宅(アパート)にお住まいのママは「ぐっすり眠れる寝室」(46%)が最多で、これは賃貸住宅全般で同様の傾向となっていました。

 

■調査概要

「共働き子育て世帯」の生活・意識に関する調査

調査目的
「共働き子育て世帯」の住宅購入時の意識や満足度を探る
調査対象
共働き且つ子育て世帯 25~39歳 男女
調査エリア
全国(首都圏、愛知県、近畿50%)
調査方法
インターネット調査
調査時期
2018年8月
有効回答
2,480件
  

■調査結果の概要

<家事ついて>

1.ママの家事負担は大きい

「平日の家事負担の状況」について聞いたところ、ママは「2~3時間」(45%)が最多となっており、次いで「4~6時間」(25%)でした。パパは「10分~1時間」(56%)が最多で、次いで「2~3時間」(19%)となっており、ママとパパの家事負担の差が相変わらず大きい状況が浮き彫りになりました。
一方、休日についても聞いてみました。最多の「2~3時間」はママ(39%)とパパ(38%)で大きく変わりませんが、2番目に多いのはママが「4~6時間」(30%)、パパは「10分~1時間」(38%)で、休日についてもママの負担が大きく、夫婦での家事の分担が進んでいないことが明らかになりました。

2. 洗濯物を“干す場所”にママのこだわりは強い

「住まいにどんなスペースがあるといいか」についてママに聞いたところ、洗濯物を干す場所として、持家と賃貸ともに「屋根のあるバルコニー」「室内干し専用スペース」は高い数値でした。
特に賃貸(アパート、戸建)においては、「屋根のあるバルコニー」は6割を超える高いニーズが確認でき、今後の持家購入時の選択基準になることが伺えます。また「室内干し」においても、
 “専用スペース”を4割以上が要望しており、干す場所へのこだわりが垣間見えます。

 

<子どもの留守番時の心配について>

3.三大不安は「大地震や停電」、「知らない人との接触」、「戸締り」

平日「子ども達だけ」で自宅で過ごす時間はどのくらいか(※睡眠時間は除く)について聞いたところ、小学生の子どもでは「子ども達だけで留守番させている」が6割強、中学生以上の子どもでは9割近くにのぼりました。

 

子ども達だけでの留守番において心配に感じていることについて聞いたところ、小学生の子ども、中学生の子どもがいる世帯とも、「大地震や停電」(前者46.9%、後者57.0%)、「知らない人との接触」(前者47.9%、後者46.1%)、「戸締り」(前者44.6%、後者43.0%)が最も高い数値となっていました。停電時でも太陽光発電や蓄電池を活用し、自動で電気を復旧させる仕組みや、スマートフォンと連携させた来客応対、戸締り対応など子ども達だけでのお留守番時の心配には対策が必要です。

 

<くつろぎ&豊かさについて>

4.ママは休日に自宅でゆっくり過ごしたい

「休日に何をして過ごしているか」について調べたところ、ママとパパとも「外出して家族と過ごす」、「自宅で家族と過ごす」、「たまった家事をする」がトップ3でした。ママについては、「それぞれが好きなことをして過ごす」と答えた人が26.7%もいました。
次に「理想の休日」について聞いたところ、ママは「自宅で一人でゆっくりしたい」(42.8%)、「一切家事をせずくつろいで過ごしたい」(31.2%)、「外出して一人で過ごしたい」(20.2%)の順となっていました。一方、パパは「自宅で家族とゆっくり過ごしたい」(44.7%)、「自宅で一人でゆっくりしたい」(35.0%)、「外出して家族と過ごしたい」(34.7%)となっており、ママとパパでは休日の過ごし方の理想に大きな違いが見られました。日々の仕事と家事に追われるママは、パパに比べて「ひとりで」「一切家事をせず」過ごすことを望む傾向が見て取れます。

5.ママが住まいに求める場所は「ミセススペース」「ぐっすり眠れる寝室」

「住まいにどんなスペースがあるといいか」について聞いたところ、持家と賃貸では大きな違いがありました。現在、持家(注文住宅)に住んでいるママでは、一人でゆっくりと過ごすことができる「ミセススペース」(46%)が最多で、これは分譲住宅の持家でも44%を占めていました。一方、賃貸住宅(アパート)にお住まいのママは「ぐっすり眠れる寝室」(46%)が最多で、これはマンションと一戸建ての賃貸住宅で同様の傾向でした。持家、賃貸のどちらの居住形態でも、共働き子育てママは、仕事と家事を両立させているため、お疲れ気味であり、「一人でのんびりゆったりとできるスペース」「快眠寝室」を求めていることが指摘できそうです。